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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 観ました。


『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』観ました。

2018.5.23 シネマート心斎橋

第二次世界大戦が始まった1940年、英国の首相がウィンストン・チャーチルに代わります。ドイツ軍はますます強国となり、ヨーロッパの国を次々と侵略しフランスまで侵略は及んで来ていました。英国でこんな状勢の悪い時期に首相に就任したチャーチルですが、議会でも味方となる人物は少なく、みんなチャーチルの出方を戦々恐々と眺めているだけでした。勢力の強いドイツ軍と和平条約を結び国民を守るのか、それとも攻め入って来るであろうドイツ軍と戦うのか、選択を強いられるチャーチルなのですが、悩みに悩み、議会の大臣たちの言う通りドイツ軍との和平の道を選択するしかないのか、、、と苦渋の選択を迫られていました。そんな窮地に立たされたチャーチルの元に国王がやって来て、国民の声を聴けと言います。最後まで和平の選択をしたくなかったチャーチルは、移動の車から姿を消し、地下鉄に乗車している人たちに「あなたなら戦いたいか、戦わずにドイツ軍の旗が掲げられた英国になってしまうのとどちらがいいか?」と問いかけ、決心します。

 

第二次世界大戦を題材にした映画はたくさんありますが、この映画は議員や首相、国王がほとんどで、戦地の様子はほんの少ししか出て来ません。実際に戦争を動かしている人というのはこういうことで、戦地に出向くわけではなくて、情報と諸外国との外交で戦争の行方を決めているんですよね。

ダンケルクに追い詰められていた大勢のフランス軍とイギリス軍を救出するためにカレーで包囲されていたイギリス軍は救出されることはなく、「救出はしない」とチャーチルはカレーの戦地に電報を送ります。これはたまりませんよね、、。カレーにいる傷だらけの兵隊たちは援軍を待っているにも関わらず、見捨てられてしまうんですから。しかし、この犠牲があってダンケルクにいた大勢の人を助けることができたダイナモ作戦が成功をおさめます。

このダイナモ作戦と名付けるシーン、「えっ、ほんと?」ってちょっと笑いますよ。民間の船をたくさん動員して兵士を助け出すんですが、この作戦にも名前をつけないといけないということになって、ふと扇風機をみると「ダイナモ」って書いてるんですから。メーカーの名前なんでしょうね、、。

このダイナモ作戦を題材にした映画が『ダンケルク』クリストファー・ノーランが監督をしてるんですが、これ見てないんですよーー。見たいーーー。

『ウィンストン・チャーチル』に出てくるダイナモ作戦は戦地にいる兵士を描いた『ダンケルク』とまったく時期がかぶるので、『ダンケルク』を見ることができるならぜひ合わせて見れたらよくわかると思います。私は近いうちにAmazonプライムででも、是非見たいと思います。

あと気になるのはチャーチルの奥様。チャーチルに物申したり、慰めたり、甘えたり、利発で美しくてすごく素敵な奥様という設定です。実際に幼少のころから色々苦労されたようですが、この奥様の人生にも興味がわく人物でした。こういう人があげまんと言われる人なんでしょうね。

 

この映画の醍醐味の一つはやはり特殊メイクですね。アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞してるんですが、それがなんと日本人!辻一弘氏です。

私はこのことを知らずに観ていたんですが、このチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンはもちろんこんな太ってないし、特殊メイクで演じているんだということはわかってました。特殊メイクとわかっていても、すごい自然で、顔のアップは結構出てくるんですけど、マジで違和感ないです。肌のたるみ感や年齢的にたるんでやや目立つようになってる毛穴まで、とにかくリアル!すごいなーーと感心して映画を見ていたんですが、終わって最後のクレジットがロールアップしていくと、監督や主演キャストなどの名前が出て、まだかなり早い段階で大きくKazuhiro Tsujiと日本名が出てきます。

結構驚きますよ。スタッフの中に日本人名を見つけることもたまにありますけど、キャストでもないのにあんなに早くに大きく日本人の名前が出てくるなんて、ちょっと感動。。。

 

戦争の映画でありながら戦地をテーマにしていないので、映像としては退屈しそうですが、監督がすばらしいんですよね、面白かった。

第二次世界大戦の映画、好きな人にはオススメです!

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