ジョニー・デップ

『ギルバート・グレイプ』ジョニーとディカプリオのまさかの共演の名作。


『ギルバート・グレイプ』

1993年の作品。

まだ少年だったレオナルド・ディカプリオと

ジョニーデップが兄弟役を演じた

知る人ぞ知る名作です。

このとき、レオナルド・ディカプリオは

アカデミー賞にノミネートされました。

監督はラッセ・ハルストレム。

主演のギルバートはジョニー・デップ、

知的障害の弟役にレオナルド・ディカプリオ、

恋人役にジュリエット・ルイス、

友人役にジョン・C・ライリー。

<あらすじ>

アイオワ州の田舎町で食料品店で働くギルバートは

この街を今まで出たことがないし、

今の生活を毎日続けるしかないと思っているような

日々を送っています。

もうすでに父は他界していて、

母は父が亡くなってからどんどん太り続け、

ベッドから一人で起きられないほど太っています。

姉と妹、弟の四人兄弟ですが、弟は知的障害があり、

ずっと放っておくわけにもいかず、ある程度の監視が必要です。

そんな環境にいる彼は、特に将来への希望もなく、

自分の役割を淡々とこなしていました。

でも、ギルバートには家族を想う愛情があり、

危ないことをして喜ぶ弟をちゃんと叱り、

また愛情をもって接するので

弟から絶大なる信頼を置かれているのです。

ある日給水塔のはしごを上っている

弟のアーニーをなんとかするように

警察から呼び出されたギルバートは

なだめすかしてアーニーを下までおろします。

とにかく無事におりれたことにほっとするギルバートですが、

二度とこんなことをさせないように、

と警察から厳重注意されます。

ギルバートは、職場の食料品店の客である

保険会社を経営する夫を持つ人妻と、

幾度となく情事を重ねていたのですが、

あるときトレーラーで旅行中の母娘と知り合います。

短髪で活発なベッキーと仲良くなり、

二人で語り合ったり、アーニーと三人で過ごしたり、

楽しい数週間を過ごしている間に

ギルバートとベッキーは愛し合うようになります。

ある日、アーニーはまた給水塔に上ってしまいます。

アーニーは今回はとうとう警察まで

連れて行かれてしまいます。

アーニーの身柄を引き取るために、

太りすぎてベッドに寝た切りだった母が動き出し、

警察まで身柄を引き取りに行くことになりました。

とにかく巨体となってしまった母は

家を出るのも車に乗るのも一苦労です。

やっとのことで出発し警察まで着いたのはいいのですが、

巨体を見物する人の好奇の目にさらされ、

家族みんなが傷ついてしまいます。

母のバースデーパティーを数日後に控えていて、

家族は料理や飾りつけの用意の分担を決めます。

ギルバートが買ってきたケーキをアーニーがつまみ食いし、

せっかくのケーキを台無しにしたアーニーを

ひどく叱ってしまいます。

その後ベッキーに色々と話をきいてもらい、

パーティーの当日はアーニーと仲直りし、

また、母からはこんなに太ってしまい

つらい思いをさせたことを謝られます。

翌日、この街を去っていくベッキーを見送ったあと、

家に戻ると動かなくなった母がベッドで横たわっていました。

亡くなった巨体の母を動かす方法がなく、

家ごと焼いてしまうことにします。


<感想>

ラッセ・ハルストレム監督の作品って、

こういう情緒的っていうんですかね、

激しく生きる人ではなくて、

普通に日常を送ってるけど

なぜか何かに縛られてるとか、抜け出せないとか、

特にこうなりたいとかないけど、

決して満足してるわけではない、

っていう悶々と過ごす人を描くのが上手ですよね。

ストーリーとしてすごい盛り上がるわけでもないけど、

退屈しないし、むしろ内容に引き込まれていくっていうんですかね、

これが監督の技量ってやつなんでしょうか。

ギルバートだけに限らずこの町の人は、

やっぱりこの退屈な田舎に満足しているわけでもなくて、

何かしらの変化を求めています。

ギルバートの親友も

新しくできるハンバーガー屋の求人に応募を考えていたり、

ギルバートの勤め先の常連客の人妻も

ギルバートを誘惑し情事を楽しみますし、

家を焼いてしまって帰る場所がなくなって

ここを出ていくことになるであろうギルバートは

これからどうするのか、、、

でもたぶん明るそうな展望を感じる終わり方が気持ちいいです。

ギルバートを演じるジョニー・デップもこの風景に馴染んでて、

抜け出すきっかけを待ってないわけでもない、

って感じがいいですね。

知的障害者を演じるディカプリオですが、

アカデミー賞にノミネートされるだけあって

演技が本当に自然です。

本当にこの俳優は知的障害者なんじゃないか?

って思うくらいに自然です。

この映画は今となっては有名になりすぎた

二人のスターが若い頃に共演していた、

っていう名作なんじゃないでしょうか。

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