食中毒には細菌によるものとウィルス性のものがあります。
レストランなど飲食店で
「食中毒のため営業停止になる」
という話は珍しくないことです。
食中毒にも種類がありますが、
細菌からの食中毒とウィルス性の食中毒があります。
<細菌による食中毒>
細菌はO-157やサルモネラ菌、カンピロバクター、等々
種類が色々ありますが、いずれも細菌の食中毒は、
食品についてしまった細菌が、
食品の管理や調理器具の洗浄の不備などから
細菌が増殖し、その食品を生や半生状態、
または不完全な加熱で食してしまい、
嘔吐や下痢を引き起こす食中毒になってしまいます。
<ウィルス性の食中毒>
ウィルス性の食中毒は、
ノロウィルスが有名で、生カキからの発生が多く、
ノロウィルスが付着した生カキを食べて
食中毒になることが多いです。
食中毒を引き起こした人の糞便や嘔吐物からの二次感染、
または、感染者が調理をし、
食器や食品にウィルスをつけてしまったものを
食した人への二次感染、、、というように、
感染者からの二次感染による食中毒の拡大が多いのが
ウィルス性の食中毒です。
ノロウィルスと生カキは親密な関係です。
牡蠣には生食用のものと加熱用のものと
分けて売られています。
これは鮮度の問題ではなく、
養殖されてどういう過程で店頭に並ぶのかその違いであって、
鮮度がいいから生食用というものではないので、
そのあたりを勘違いしてしまうと、
ノロウィルスになってしまう恐れが多いにあります。
また、生食用であっても、その安全性は100%ではありません。
牡蠣は河口の近くで養殖されているものが多くて、
そこでノロウィルスが付着してしまうことがあるのですが、
生食用の牡蠣は出荷する前に河口から離れた、
水質の綺麗なところへ移動し、
そこでウィルスを流し、検査を終えて出荷されるそうです。
全部の牡蠣が検査を通るわけではなく、
いくつかの牡蠣が検査を受けて合格となるので、
ウィルスが付着しているものが混ざってもおかしくない、
ということです。
ノロウィルスは食品に付着しても
それ以上個体数は増えて行かないのですが、
人がその付着した食品を食べたことから体内でウィルスを増やし、
48時間以内に食中毒の症状を発症します。
ノロウィルスは二次感染で拡大します。
ノロウィルスに感染してしまった人が一人であっても、
その人がレストランの厨房で働く人で、調理をし、
それをお客様に提供したことで感染者が広がります。
感染している人が食材を素手で触り、
加熱時間の短いもの、または加熱しないものを
素手で触った皿に盛り付けして提供すれば、
それはもうノロウィルスを出されているのと同じ
ということになります。
また、食材からだけ感染するのではなく、
感染者の糞便や嘔吐物からの空気感染、
嘔吐してからすぐの吐息などからも感染するので、
同じ職場で働く人へ移してしまうこともあります。
ノロウィルスは症状が治まってもからだから排泄されるのに1カ月ほどかかることもあります。
ノロウィルスは二次感染で拡大するので、
レストランや飲食店で働く人は、
嘔吐や下痢の症状があるときは、
出勤前に責任者に連絡をして、
出勤するべきかどうか判断を仰いだ方がいいです。
自分が休むことで職場の人に迷惑をかけてしまう
とか考えてしまいますが、
もしもノロウィルスに感染していれば、
そこから二次感染の拡大が予想されます。
お客様にまで感染を広げてしまったとなると、
営業停止という行政処分を受け、
ヘタするとそのお店を閉店させてしまうかもしれない
という一大事までなりかねないのです。
ノロウィルスの感染者が従業員に出たら、
他の従業員もノロウィルスに感染していないか
検査を受ける必要があります。
検便による検査ですが、
感染者が出たときから48時間以上経っていて、
そこから検便を行います。
その結果で陰性であれば感染していないということになります。
潜伏期間が48時間なので、
48時間以上経過していれば陰性の人は問題ないですが、
感染者は症状が治まっても
1カ月くらい陽性反応が出ることがあります。
陰性の結果がでていれば問題なく働けますが、
陽性である間は移してしまう恐れがあるので、
調理人は絶対に職場に復帰ができません。
そういうリスクを考えると、
飲食店で働くものは生牡蠣を食べるのは控えるべきなのです。