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ハビエル・バルデムの「海を飛ぶ夢」は尊厳死がテーマの映画です


「海を飛ぶ夢」は2004年のスペイン製作の映画です。

主演はハビエル・バルデム

監督はアレハンドロ・アメナーバル

ハビエル・バルデム主演の「海を飛ぶ夢」のあらすじ

この映画は尊厳死がテーマの映画です。

ラモンは25歳のときに、海に遊びに来ていて普通に飛び込んだつもりが、海底で頭を強打してしまいます。

その衝撃で首の骨を骨折し、そのとき以来四肢麻痺の状態で26年間過ごして来ました。

彼は、年老いた父と、兄夫婦、兄夫婦の息子の4人に世話をされて暮らしています。そんな彼はベッドで寝たきりで、口にくわえてペンで字を書き、甥がパソコンでそれを清書をし、身の回りの世話は義姉がしています。

介護されるには恵まれた環境にいるラモンは、家族からはとても愛されています。

しかし、彼は動けない自分のからだを憎み、死ぬ事を訴え続けています。

四肢麻痺であるから、自殺することもできず、誰かの助けを借りなければ死ぬことができません。

尊厳死のことで活動する女性から一人の弁護士を紹介され、その弁護士と仲が深まります。

弁護士も足が少し不自由なのですが、実はこの女性も早く命を絶ちたい一人なのです。

四肢麻痺でも、電動の車椅子で出かけたり、行きて行く方法はある、と訴える同じ障害者もいるのですが、ラモンはこれが自分の考え方だから、と、尊厳死を認めてもらいたいと、国に訴えます。

結局、尊厳死は認められませんが、彼は死ぬことに対しての考えは変わらないのです。

「海を飛ぶ夢」は尊厳死について考えるいい映画です

このラモンをとりまく環境は愛に満ちています。

ラモンの兄は『俺がお前の兄なのだから、お前が死ぬことは許さない』と、死を選ぶ考えの彼を頭ごなしに拒絶します。

義理の姉は自分も生きていてほしいけど『彼が望む事だから』と、ラモンの考えを尊重します。

家族以外に、尊厳死について活動する女性、弁護士、元ラジオのDJの3名の女性がいますが、その女性たちからも愛され、人間的に安らぎを与える器の大きな人物であることが感じられます。

弁護士からの提案で、彼の本を出版するのですが、その中の一つにまだ見ぬ我が息子に宛てた詩があります。

そこには彼の思いが込められていて、なんとも深いメッセージがありました。

『おおーー、なんと、そういうコトだったのですかーー。』
と、なると、色々つじつまがあってきたりして・・・。
あー、ここからはおもしろい展開でした。けど、悲しい・・・。

全編通して、動きはあまりないから、かなり静かな映画です。
でも、画はとっても綺麗です。

ハビエル・バルデムの演技は圧倒的ですごい

この主演のハビエル・バルデム、2000年の『夜になるまえに』でもキューバ出身の作家を熱演でしていましたが、今回は顔の演技だけですが、やってくれます。

からだが動かないんですから、本当に顔と声だけの演技ですが、いやぁ~、、すごい、、。

ハビエル・バルデムの出演作は「コラテラル」「ノーカントリー」「007スカイフォール」と、どの作品もインパクトがすごい!

存在感が圧倒的にあって、悪い人を演じるときの恐怖感はハンパないです(笑)

「ノーカントリー」のハビエル・バルデムは本当に怖い、、冷酷で容赦ない悪い奴で、追い詰められたら絶対殺されるって思わせる、観客に与える恐怖はすごいです。

「海を飛ぶ夢」では『生きることの権利はあるけど、義務ではない』ということを彼は言うのですが、本当に重みのある言葉です。
こういう真面目に考えるきっかけを与えてくれる映画って大事ですね。

尊厳死がテーマではないですが、よく似た映画に「潜水服は蝶の夢を見る」というのがあります。

これはファッション誌のエルの編集長が脳梗塞で左目のまぶたしか自分で動かすことができなくなり、自分にはちゃんと意識も感情もあるということを周りの人に気付かせ、左目の瞬きだけで会話や執筆を行った編集長のお話しです。

これもなかなか感動的でした。

こういう映画を観ると五体満足でいられることを本当にありがたいと思います。

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