ジョーカーがクールな殺人鬼となった成り行きをホアキン・フェニックスが悲哀を込めて演じてます。

<あらすじ>
『バットマン』シリーズに出て来る狂気でクールな悪者のJOKERの物語です。まだバットマンの敵となる前の、荒廃しているゴッサムシティで母と暮らす優しいアーサーが絶望と恨みから変貌していくピエロのお話しです。

ゴッサムシティは行政で働く市民がストライキを起こし、街はゴミであふれ、地下鉄も汚く電気の供給も不安定です。市民は不満でいっぱいで、仕事もなく、暴動を起こしたり人を襲ったり、犯罪と劣悪な環境の街になっていました。
精神的な疾患をかかえているアーサーは母と二人暮らしで、市のサービスであるカウンセリングを受けながら、ピエロの格好で店頭で呼び込みをする仕事をしていました。
アーサーの夢はコメディアンになること。みんなを笑わせて幸せにするコメディアンになりたいというのが子供のころからの夢なのです。しかし、実際のアーサーは人を笑わせることが得意なわけでもなく、話し上手でもありません。それに自分の意志に反して大声で笑い始めてしまう、、、という精神的な疾患があります。

あるとき、アーサーは職場の仲間から「お前にやる」と言われ拳銃を渡されます。「いらない」と断りますが、結局アーサーがもらってしまうのですが、この拳銃を手にしたことから色んな悲劇を起こしてしまうのです。
地下鉄で絡んできた証券マン3人を拳銃で殺してしまい、警察に追われることになったり、仕事もクビになったり、30年も前の自分の雇い主に生活の助けの手紙を書いていた母の手紙を読んで、自分の知らなかった母との関係を知ってしまいます。
自分の生い立ちを知ってしまったことで自暴自棄となり、アーサーはジョーカーと名乗り、優しいアーサーを捨ててしまうのです。
ホアキン・フェニックスの痩せ方がすごい!

もともと痩せてるイメージではなくて、どちらかというと肉を感じる体格のホアキン・フェニックスですが、このジョーカーはかなり痩せ気味です。
ホアキン・フェニックスはなんと24キロも減量したんですって!!
24キロも普通減量できるんですか!!
私は常にたった3キロ痩せたいんですけど痩せられません(笑)ハリウッド俳優の根性はハンパないですね。
でも、スレンダーになったせいか、ピエロの姿で踊るジョーカーはステップも軽いし、走るのも速いし、、、それに痩せてることで貧困である生活の苦しさも表現されてましたね。
背骨はもちろん出てるし、あばらも見えてるし、今までの役で見て来た剛腕な力強さは今回は感じられませんでしたもんね。精神も病んでて、生活も苦しくて、ちょっと卑屈で人付き合いが下手で、、、ホアキン・フェニックスは原作のイメージを壊さないためにもがんばって痩せたそうです。
ヒースのジョーカーよりも悲哀感たっぷりです。

『バットマン/ダークナイト』でヒース・レジャーのジョーカーもすごい評価をされましたが、ヒースのジョーカーはもうアーサーではなく、冷酷なジョーカーになってからですから、悲しさよりも淡々と悪事をこなしていく狂気の犯罪者でした。
この狂人ぶりは冷酷で怖かったですよね、、、。
しかし、このジョーカーになる前のアーサーはそもそもいい人なのです。母親思いだし、仕事は真面目にやってたし、コメディアンの勉強もやってたし、ただ、どれもちょっとずつ歯車が狂ってしまうのです。

運命を受け入れて、どんな状況でも強く生きていける人もいれば、アーサーのように、何かがどうもうまく行かない、そこで「なんで自分だけ」と卑屈になってしまう。その連鎖でどんどん抜けられない負の連鎖が狂気を駆り立てて恐ろしい行動に移してしまう。
いつの世の中もどこの国でも起こりうるジョーカーの狂気が、実は身近にも起こりそな現実味を感じます。
私はアメコミものってあんまり好きじゃないので映画も観てないんですけど、どういうわけかこのバットマンのシリーズだけは観てるんですよね。それも映画館で。
このゴッサムシティの暗くて汚い感じも嫌いですし、バットマンが好きなわけでもないんですけど、なんかご縁があって観てるんですよね(笑)
私はどの映画もエンドロールが終わるまで座ってる派なんですけど、なんと製作陣のところにブラッドリー・クーパーの名前を見つけてしまいました。この人、俳優もやってるし、監督もやってるし、最近ノリノリですよね。本業はなんでもこなす映画人ってとこなんですかねぇ~。
ホアキン・フェニックスの過去の作品をいくつか紹介
グラディエーター
ウォーク・ザ・ライン/君に続く道
ゴールデン・リバー