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なんで女子の賞金がそんなに安いのよ!『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は男女平等を訴えます。


『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』観ました。

2018.7.11 なんばTOHOシネマズ
監督はヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デリトン、主演はエマ・ストーン

1973年、テニス界の女王ビリー・ジーン・キングは、試合に優勝しても、優勝賞金が男子と比べて8分の1しかない、ということに納得がいきません。客の動員数も男子に比べて劣るわけでもないのに、なぜ女子の方が賞金が安いのか?その疑問をテニス協会に訴えますが、男子ほど力がない分、迫力に欠ける、男子の試合ほど面白くない、、などと納得できる回答を得ることができません。ビリーはテニス協会を脱退して、女子だけで団体を立ち上げると宣言します。その場の流れで発言してしまったビリーでしたが、他の女子のプレイヤーたちもビリーの考えに賛成です。

女子だけで協会を立ち上げ、取材を受けることになり、みんなで美容院で髪をセットしてもらいます。そのときにビリーを担当していたマリリンは、あまりおしゃれをしないビリーに少し髪を切った方がいい、綺麗なのに、、とアドバイスし、普段おしゃれに無頓着だったビリーは、その言葉にドキッとします。マリリンに試合のチケットを渡し、是非見に来てほしい、と声をかけて、会見場へ急いで向かいます。

試合を観に来てくれたマリリンも交えて、試合のあとに食事をし、この後もう家に帰るというマリリンに、夜も遅いし危ないから私の部屋に泊まらないか?と提案します。マリリンも、それなら、、とビリーの部屋に泊まることにします。

二人とも、なぜかぎくしゃくと落ち着かず、部屋に入るなりキスをし、服を脱がせます。ビリーは夫もいるし、自分は同性愛者ではない、と思いたいのですが、そう思う自分を止められず、平気なマリリンとベッドに入ります。

これはこのときだけで、私には夫もいるし、、、とマリリンに告げますが、自分の気持ちに整理がつかないビリーは落ち着きません。翌日少し遅刻をし、集合場所へ行きますが、そこでみんなはマリリンに美容師として同行してもらってほしい、と言い出し、マリリンはまたビリーの車に同乗し、次の試合も一緒に行くことになります。複雑な思いのビリーですが、やはりマリリンと一緒にいることは楽しいし、二人の関係がそのまま継続して行きます。

男子テニス界の元世界チャンピオンのボビーはギャンブルが大好きで、ギャンブルでの失敗はないけど、妻からは小さなことでも賭けないように普段から言われています。もうやらない、と妻と約束しているのですが、ボビーのテニス仲間とテニスで賭けをし、ボビーが勝ち、友人からロールスロイスを勝ち取ります。
数日後いきなりロールスロイスが家の前に届き、妻に賭け事をしていたことがバレてしまいます。

約束を破ったボビーは家を追い出され、色々と考えるのですが、ギャンブルをやっても負けなければいい、負けるから問題なのである、という結論に到達します。そして、女子テニス界の女王ビリー・ジーン・キングとボビーが試合をすれば、客の動員も見込めるし、またこの試合で賭けをすれば面白くなること間違いない、それに妻との復縁の願いもこめて、この試合を計画します。

ボビーはビリーにこの話を持ち掛けると、ビリーは一度は断りますが、代わりにこの試合を引き受け、ボビーに惨敗した試合を観ていたら黙っていられず、結局ビリーはボビーと試合をすることにします。


この映画のビリーをはじめ、女子のテニスプレイヤーの主婦率の高さに驚きました。今はスポーツのプロは独身の方が圧倒的に多いと思いますが、このときの女子のチームは子持ちもいますし、夫のいる人が結構いたみたいです。ビリーももちろん夫がいるのですが、ビリーが遠征に行っている間は留守の家を守り、また、ビリーの膝のケアをしに遠征先まで来て、膝をアイシングしてあげたり、、、なんて理解のあるご主人なんでしょう、、。

世の中はまだ男尊女卑が普通で、男女平等を訴えている時代なのに、ビリーはプライベートでは理解のある夫に支えられ、遠征先では同性のマリリンと恋仲になるし、ある意味時代の先端を走っていたんじゃないでしょうか。そんな環境にいるからなおさら賞金の男女の違いに我慢できなかったのかもしれないですね。

ウーマンリブが叫ばれていた1970年頃、自分らしく生きていたビリー・ジーン・キングは時代の先端を歩いていた女性の代表のような気がします。

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