映画のこと

マックィーンの名作『パピヨン』を45年ぶりにリメイクです。


あきらめず脱獄を繰り返すパピヨンは実在の人物です。

フランスの作家アンリ・シャリエールの実体験のお話しです。

胸に蝶の入れ墨があることでパピヨンと呼ばれていた男は、1931年のパリで金庫破りを生業とし、宝石を盗んでは金に換え、派手な暮らしをしていました。そんなパピヨンを面白く思っていない人間がパピヨンを罠にはめ、殺人を犯したということで無実の罪で終身刑となります。

南米のギアナという島に投獄されますが、そこは酷い環境で、脱獄しようとすれば必ず捕まるし、もし人を殺せばギロチンで処刑されます。

そんなギアナに一緒に投獄されたドガと知り合い、親しくなります。脱獄を試みて失敗したパピヨンは孤島の収容所に移され全くの孤独を2年間過ごし、やせ細って行きます。なんとか精神を壊すことなく独りぼっちと飢えに耐え、元の収容所に戻されます。そしてまたドガたちと船で脱獄し、なんとか成功するのですが、壊れた船が流れ着いたコロンビでまた捕まってしまいます。

次はまた5年を孤島の収容所で過ごし、その後悪魔島と呼ばれる脱獄不可能の島に連れて行かれ、ドガと再会します。あきらめないパピヨンはまたその島から脱獄します。

とにかく、パピヨンはあきらめません。最後の悪魔島で再会したドガは、もう脱獄はあきらめています。断崖絶壁を飛び降りる勇気もなければ、いかだで生きるか死ぬかのかけに出る希望ももうありません。

パピヨンは最後は一人でベネズエラに流れ着いたようですが、自分の実体験を本にするべきだとその後妻となった女性から勧められ、フランスで出版に至ったそうです。

ドガを演じたのはフレディーマーキュリーのラミ・マレックです。

1作目の『パピヨン』ではダスティン・ホフマンがドガを演じました。ちょっと臆病で知的なドガの個性を独特な演技で表現されてました。丸い眼鏡をかけて、口を開けてボーッと立ちすくむ姿が印象に残っています。

今回ドガを演じたのはラミ・マレックです。ラミが演じたドガも臆病で知的なのですが、ダスティン・ホフマンとはまた違ったドガを観ることができたので、1作目のイメージに縛られることなくみることができました。

今回のパピヨンを演じたのはチャーリー・ハナムです。このチャーリーもすごいですよ。なかなかの肉体派のムキムキのスタイルなんですが、2年間投獄された間に痩せてしまうんですが、、、もう、どうやって痩せたんですか!っていうくらいガリガリに痩せてしまいます。ハリウッドスターってすごいですね(笑)

1930年代の人権なんて無視で、牢獄なんて劣悪そのものの再現は本当に吐きそうに気持ち悪いです。

こんな中で生き抜いたドガも強運だったと思いますし、また何度の脱獄で失敗してもあきらめない強い精神のパピヨンも選ばれし強運の人であることは間違いないですね。

1作目と2作目それぞれの違いも楽しめると思います。

1作目はパピヨンとドガとのやりとりや絆がもっと感じられた気がしますが、2作目は孤島で2年過ごすパピヨンの孤独と闇と自分の精神の鍛練のシーンが細かく描かれていました。

本当の意味の一人って、独りなんですよね。孤独、、、。話すことも許されず、部屋の外を見ることも許されず、コンクリートの壁と床、ベッドがあるだけの部屋に小さな小窓から汚い器に入ったほんの少しのスープや水、、。死なない程度の食糧しか配給されない孤独の部屋、、、。

こんなところに2年。そしてまた5年。これに耐えたパピヨンって本当にすごいです。

1作目を見てない人は2作目を見てからでもスティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンの『パピヨン』も是非見てほしいですね。

古い作品ですけど、名作は力があるので楽しめます!

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