『ショコラ』
監督はラッセ・ハルストレム、主演がジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ
フランスのある田舎町に北風とともにやってきた赤い頭巾をかぶった母と娘は、一軒の店を借りてチョコレートのお店を開きます。母のヴィアンヌはなんとかこの町の人と仲良くなろうと努力しますが、、この町に住む人はみんな敬虔なクリスチャンで、閉鎖的でもある田舎なので、よそからやってきたこの親子のことを遠巻きに様子をうかがっているだけで、なかなか近寄ってもらえませんでした。
チョコレートはスパイスによって色んな味が変化しますが、それだけではなく、そのスパイスの持つ効能でお菓子ではなく媚薬としても効果を発揮します。やってきたお客に悩みごとを聞き出して、その悩みに最適なチョコにアドバイスを添えて渡します。すると、効果があったお客たちは喜んで報告にやって来て、またチョコを買っていきます。そうやってだんだん町の人たちと交流が持てるようになってきた頃、村長のレノ伯爵から、教会のミサに来ないことをとがめられます。いくら言っても教会に来る気のないヴィアンヌに業を煮やしたレノ伯爵は村人にヴィアンヌの店の出入りを禁じたり、チョコレートを悪魔的なものであると吹聴したり、規律を守らないヴィアンヌに嫌がらせを始めました。
あるとき川に船で移動しているジプシーの一団が流れ着き、その中のルーという男性とヴィアンヌは出会います。お互いに村から歓迎されていない境遇を語り合ってわかりあいます。
ヴィアンヌは村で唯一自分のことを理解してくれている家主の老婆アルマンドに、自分たちを受け入れようとしない村の人たちのことで悩みを相談しました。アルマンドは自分の誕生日パーティーを開くから、何人かの村人とルーの一団を招き、そのときの料理をヴィアンヌに任せることにしました。
パーティーの当日は、みんなヴィアンヌの料理に満足し、ジプシーたちとも楽しく騒ぎ、とても素敵な誕生日パーティーとなったのですが、その様子を見ていたレノ伯爵はまた腹をたてていました。レノ伯爵と一緒にヴィアンヌへ嫌がらせをしていたセルジュはレノ伯爵に気に入られようと、ジプシーの船に火を放ち、火事をおこしてしまいます。
その後、その火事の原因がセルジュの放火によるものだと知ったレノ伯爵は、なんてことをしたんだ!とセルジュをなじり、居場所のなくなったセルジュは村を出ていきます。
パーティーの終盤で亡くなっていたアルマンドの葬式が行われ、ヴィアンヌの店で商品のチョコレートをぐちゃぐちゃに壊していたレノ伯爵は、ふいに口の中に入ってしまったチョコレートのおいしさに、もう自分を制御できずにそこらじゅうのチョコレートを口に入れ、その姿を見られてしまいます。
気まずいレノ伯爵ですが、ヴィアンヌはそんなレノ伯爵を許し、一度は出ていこうかと思っていた村を出ていかず、ここに落ち着くことに決めます。
このお話は、大人のためのおとぎ話です。大きな感動こそないですが、どこかからやってきた親子を閉鎖的な村人たちは警戒し、最初はただただ見物されて距離感がなかなか縮まりません。好奇心旺盛な村人が近づいてみて、だんだんお互いをわかりあっていきます。そして、教会のミサへは行かないという頑固なヴィアンヌ。流れて来た者は自由でありたいと思うし、宗教は押し付けるものではないという信念があります。なので、いくらレノ伯爵が脅してきても信念を曲げずに貫きます。そんなところへ、また流れ者のジプシーのルーと出会うのですが、このルーがジョニー・デップなんですが、まー、カッコイイったらありゃしない。。主演はヴィアンヌのジュリエット・ビノシュで、ジョニー・デップはこの場合助演となる役ですが、このかっこよすぎるジプシーのおかげで、どれだけこの映画が綺麗にできあがりましたことか!
素敵すぎるジョニーを観るならこの映画がイチオシです!